<交流の新しい窓>

コロナ禍で見えてきた 新しい「交流」の形

 AEFAの活動の重要な柱である交流事業。なかでも、活発に実施してきた小学校への出前授業の令和2年度実施はわずかに10回。AEFA発足以来の累計は750回なので大幅減です。学校を訪問できないなら、授業の内容だけでも教室へ届けられないだろうか。そんな思いで開発したのが、「代行出前授業」と「Zoomによる出前授業」です。

 代行出前授業では、AEFA講師が使用しているスライドにコメントを付けて、担任の先生がそれをなぞって話していけば授業が出来るようにしました。生活用品なども同時に貸し出すので、実物を見てもらえます。

 また、教室とAEFA事務所をZoomで繋いで、出前授業を実施しました。相手は長野県大岡小学校です。画面越しでも活発に質問が出て嬉しくなりました。同校は毎年「大根プロジェクト」として学校菜園で育てた大根を販売、売り上げをラオスの学校の教材等へ役立てていて、今年もZoomで”売上の贈呈式”を行いました。

 なお、出前授業は、令和3年度も東京都教育委員会からの後援を頂きました。今後も工夫を重ね、より充実した授業ができるように教材開発を進めていきます。

 こうして「交流」についていろいろ考えるなかで、普段東南アジアを見つめて活動している私たち自身が、実は日本国内にいる東南アジアの方々のことをあまり知らないのではないかと思うようになりました。たとえば、AEFAプロジェクトで176校を建設(2020年末)したベトナムからは、約45万人が日本に在留しています。これまでも「ドンズー日本語学校」を修了した留学生が、AEFAの活動に参加しています。一方、技能実習生とはあまりかかわりがありませんでした。留学生や実習生以外にも、働きながら独学で、日本語や文化を勉強している方々が多くいるはずです。

ベトナムについて教えてもらっています

「ベトナムと同じように、日本がだいすき」「言葉がわかると、友達ができる。友達と気持ちを伝えあうことができると、うれしい」

 ――そんな声を耳にします。むしろ、身近に暮らす留学生や技能実習生を通して、その国のことを知ったり理解したりする「新しい窓」を開くことができるのではないか。東南アジアにルーツを持つ方々から、生まれ育った故郷の様子や現在の自身の生活などを教えてもらい、交流することは、世界や人とのつながりをより身近に感じ、理解を深めるきっかけになるのではないか。そう考えて、オンラインでの日本語授業や交流会など、個人ベースで少しずつ取り組みをはじめています。

TVA山形(在山形ベトナム人協会)のみなさんによる「日本語教室」

 「別の窓、新しい窓」の向こうの東南アジア。窓を開けたときにどんな風景が見えてくるのかが楽しみです。