スリランカ

親日国スリランカの国土面積は北海道の8割程度の広さです。人口約2000万人の多民族国家で、最も多いのがシンハラ人(74%、主に仏教)、次いでタミル人(18%、主にヒンドゥー教)、ほかにムーア人などが暮らしています。シンハラ人は紀元前5世紀頃に北インドから上陸したアーリヤ系(インド・ヨーロッパ語族)の民族とされています。タミル人は、主に南インドに住むドラヴィダ系(ドラヴィダ語族)の民族で、紀元前2世紀中ごろにセイロン島北部に到来したり、英国植民地時代に紅茶などのプランテーション農園の労働者として強制移住させられたりして、定住するようになりました。

大都市の学校を除く地方の多くの学校ではシンハラ語のみ、またはタミル語のみの授業しか行われていないため十分に意思の疎通を図ることが困難で、1983年以降25年以上に及ぶ民族紛争の一因になったとも考えられます。この内戦は2009年に終結し、政府はその大きな傷跡を修復しつつ教育に力を入れていますが山間部や僻地での学校施設を充実する余裕がないのが実情です。古くなって危険な校舎の修繕や建て替えは保護者の手にゆだねられますが、貧困家庭が多い地域ではそうした費用を捻出することができません。
スリランカの公立学校は小学校から大学まで無償で授業を受けることができますが、実際には設備費や寄付の名目で多額の入学金を支払う必要があるため子どもを就学させることができない家庭も少なくありません。

特に英国植民地時代に南インドから連れてこられ、プランテーション農園内に住み込みで農園労働に従事するタミル人(古くから国内に暮らす「スリランカ・タミル人」と区別して「エステート・タミル人」と呼ばれる)は就学率が非常に低く、過酷な農園の仕事を手伝うために学校を中退してしまう子どもが大勢います。

AEFAでは、コロンボから近い西部州のホマガマ地区や、内戦の傷跡が最も深く残る北中部州アヌラーダプラ地区、南部州などで学校建設や改修事業を進めています。

年度学校名所在地支援者(敬称略)
2022 イルコーウィタ小中学校課外活動用の小校舎(12x6m・2室)西部州ホマガマ地区サモダラ シルバーアーチ基金
2022 カワンティサプラ・マハー小中学校5室南部州ティッサマハーラーマ エルセラーン1%クラブ
2020 アットダットカッラ・ラフラ小中4教室(新校舎)+新トイレ *小中学校北中部州アヌラーダプラ地区アットダットカッラ・ペマドワ村 七村 守 
2020 ドゥヌマダラーワ小中4教室(新校舎)+新トイレ *小中学校北中部州アヌラーダプラ地区 ノッチャガマ ドゥヌマダラーワ村 木村 達也、廣部 武
2020 ミィーゴダ仏教小4教室(新校舎)+新トイレ西部州ホマガマ地区 ミィーゴダ村 エルセラーン1%クラブ
2020 ジャヤティラカ小4教室(新校舎)+新トイレ西部州ホマガマ地区 キリワッチュドゥワ ヤカハルワ村 エルセラーン1%クラブ
2018 ボーサレー小4教室(新校舎)+新トイレケゴール州ガンパハ地区アムベプッサ ボーサレー村 エルセラーン1%クラブ
2018 イハラ・タルドゥワ小4教室(新校舎)+新トイレケゴール州アヴィサベラ地区タルドゥワ村 エルセラーン1%クラブ
2017 ギリウラ・マヒンダ小5教室西部州ケゴール区ミリガマ ロルワゴダ 長野篠ノ井ライオンズクラブ  一般寄附
2016 セントアン小5教室+WCヒニドゥマ地区セントアンズエステート エルセラーン1%クラブ
2016 サラナパラ小5教室増築+WCハンバントータ地区ゲタマンナ村 エルセラーン1%クラブ
2015 マウントカルバリー小7教室+トイレ南部州ハプガラ NPO法人 Shared Smile Japan