ラオス・パチュドン校 ~ 山岳地帯のモデル校として発展

2005年 0からの出発 ~ 農業統合学校を目指して

ラオス第1校目の建設地は、南部サラワン県山岳地帯タオイ郡ジョー地区のパチュドン小学校です。ベトナム戦争時の不発弾等の被害が未だ残る最貧地域で、外部とは隔絶した自給自足の生活を送る少数民族タオイ族の村。学校建設だけでなく、農業や保健衛生などのプロジェクトを“村人と共に”推進する現地NGOと、第1歩を踏み出しました。
農業統合学校を目指し、学校菜園、養鶏・養ヤギ、養魚池などを付設。農業技術をもつ先生やNGOスタッフから「生きるための知識」を得る学び舎として、ジョー地区の基幹校として育ちました。2008年、教育省から視察団が訪れ、「山岳地帯のモデル校」とのお墨付きを頂きました。

2010年 中学校が完成 ~ 地域の基幹校として機能

2007-2008年度には小学校(5年制)を修了した生徒のために、中学課程の設立が認可。最初は、教室がないために大きな木の下や食堂に黒板を置いて勉強していた中学生たち。「たとえ木の下でも勉強を続けたい!」と願う生徒のために、2009年より2か年をかけて、中学校舎2棟を建設、中学校(4年制)を修了できるようになりました。山間部の学校で教えたいという熱意あふれる教員が次々に赴任、学校菜園や養魚などの活動もより充実。地域の基幹校としての役割をもつようになりました。13カ村からの児童生徒が通うほか、パチュドンの先生が分校を廻って村人・先生方との話し合い、教材の作り方や学校運営、菜園などの活動について情報交換を行っています。

2014年 パチュドン初の“先生”誕生!

一方で、村を取り巻く環境も大きく変わりました。隣国ベトナム・ダナン市に抜ける舗装道路が整備され、もの・人の往来が激しくなりました。外から入ってくるものは、常によいもの・・とは限りません。子供が安い労働力として騙されるなどトラフィッキング(人身取引)の被害を防ぐため、より教育の重要性が増しています。
2012年には幼稚園が完成、山岳少数民族の子供たちが国語「ラオス語」に1日でも早く触れることで、小学校修了率を向上させます。また、中学修了後は教員養成短大進学などの道を開き、2014年9月にはパチュドン校出身者として初の教員が誕生します。夫々の故郷の分校に戻り、地域の発展を担う次の世代を育ててゆくのです。 2005年、パチュドン村の50人の子供が通う小学校から始まったAEFAの学校プロジェクト。2012-2013年度には幼稚園から中学生まで約200人、(うち寮生97人)が学ぶ学校に育っています。